家庭菜園で人気の野菜といえばトマトですが、その中でもバランスの良いサイズ感と味わいから「ちゅうだま トマト」は多くの人に選ばれています。この記事では、ちゅうだまトマトの育て方を基礎から丁寧に解説し、初心者でも失敗しにくいポイントを網羅しています。
種から育てたい方に向けては、種まきの手順を詳しく紹介し、苗から始める方には植え付け時期や支柱の立て方のコツなど、実践的な情報を盛り込みました。また、プランターでの栽培にも対応できるようにプランターサイズの選び方のポイントにも触れています。
さらに、甘い品種おすすめランキングを通して味にこだわる方にぴったりの品種選びをサポート。特に人気の高いフルティカの育て方や、収穫量をアップさせるための2本仕立ての方法も解説しています。
これからちゅうだまトマトを育ててみたいと考えている方はもちろん、より甘く美味しいトマトを目指したい方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
この記事でわかる4つのポイント
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種まきから収穫までの具体的な育て方の流れ
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プランター栽培に適したサイズや環境の整え方
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支柱や2本仕立てなど管理方法の基本
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甘い品種の選び方と糖度を高める育成ポイント
初心者向けのちゅうだまトマトの育て方ガイド
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植え付け時期と気温の目安
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種まきからの育て方の基本
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支柱の立て方と誘引のコツ
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プランターサイズの選び方
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人気のフルティカの育て方ポイント

植え付け時期と気温の目安
中玉トマトの植え付けは4〜5月が最適な理由
中玉トマトの植え付けに適した時期は、一般的に4月から5月の春先とされています。この時期は気温が安定し始め、トマトの生育に必要な条件を満たしやすくなるからです。中玉トマトの生育適温は20〜30℃であり、特に重要なのが夜間の気温です。最低気温が15℃を下回ると、根の活着がうまくいかず、苗の成長が滞ってしまいます。
寒冷地では黒マルチと保温資材で地温対策
寒冷地や春先に気温が低い地域では、地温を確保するためにマルチフィルム(黒色)を使うのが有効です。黒マルチは地表を温め、地温を保つ役割を果たします。また、苗を守るためにホットキャップや簡易トンネルを設置する方法もあります。これにより、夜間の冷え込みによるダメージを防ぎ、苗の順調な育成が可能になります。
遅れた植え付けは高温障害のリスクが高い
一方で、植え付けが遅すぎると、開花・結実のタイミングが真夏に重なり、高温障害や水分管理の難しさが問題になります。特に真夏の日中は35℃を超えることも多く、トマトの生育に悪影響を及ぼします。その結果、実の肥大が止まったり、花が落ちたりすることもあるため注意が必要です。
プランター栽培は夜間の寒暖差に注意
また、プランターや鉢で育てる場合は、日中の気温だけでなく夜間の寒暖差にも気を配ることが大切です。プランターは地面に比べて冷えやすく、根が冷えて生育が遅れることがあります。そのような場合には、夜間だけ屋内に取り込むなどして温度管理をするのも良い方法です。
このように、植え付け時期と気温の管理は、中玉トマトの栽培成功に直結します。気象情報を確認しながら、地域の環境に合わせた柔軟な対応を心がけましょう。
種まきからの育て方の基本
中玉トマトを種から育てる場合、成功のカギは「温度管理」と「育苗の手順」にあります。特に発芽には20〜30℃の温度が必要とされており、時期としては3月から4月上旬に行うのが適しています。寒冷地ではそれより遅らせる必要がありますが、加温設備を使えば早めの種まきも可能です。
工程 | 内容 | ポイント |
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種まき | 育苗ポットやセルトレーに培養土を入れ、1カ所に2〜3粒まく | 軽く土をかぶせ、霧吹きや底面給水で湿度を保つ |
発芽後の管理 | 日当たりの良い場所に移動し、徒長を防ぐ | 日中は外気に慣らし、夜間は室内へ戻すなどして順化させる |
間引き | 本葉2〜3枚のタイミングで元気な苗を1本残す | 根張りが良くなり、病気の予防にもつながる |
定植 | 本葉7〜8枚、第一花房が見えた頃に植え替える | 根がしっかり張った状態で外環境に耐えられる |
栽培期間 | 種まきから収穫まで約3〜4か月 | 栽培計画は余裕をもって立てる |
メリット | 好きな品種を自由に選べる | 甘い品種や珍しい品種を楽しめる |
注意点 | 苗が小さすぎたり育ちすぎたりすると根付きが悪くなる | タイミングを見極めて定植する |
まずは育苗ポットやセルトレーに市販の野菜用培養土を入れ、種をまきます。種は1カ所に2〜3粒まき、軽く土をかぶせてから、底面給水や霧吹きでやさしく水を与えましょう。土が乾いてしまうと発芽率が下がるため、適度な湿度を保つことが大切です。
発芽したら、日当たりの良い場所に移動させ、徒長(茎だけがひょろひょろと伸びる現象)を防ぎます。このとき、気温が高すぎると成長が早まりすぎるため、徐々に外気に慣らす「順化」を意識しましょう。日中は外気に触れさせ、夜間は室内に戻すといった工夫が効果的です。
本葉が2〜3枚になった頃、最も元気な苗を1本だけ残して間引きます。この段階で間引きを行うことで、根張りが良くなり、その後の定植後の成長が安定します。また、病気の予防にもつながります。
苗の植え替え、すなわち「定植」は、本葉が7〜8枚になり、第一花房が見え始めたタイミングが理想的です。この時点で、根もしっかり張っており、外の環境にも耐えられるようになっています。苗が小さすぎたり、逆に育ちすぎていたりすると、植え付け後の根付きが悪くなりやすいので注意しましょう。
なお、種からの育成は時間と手間がかかる一方で、好きな品種を選んで育てられるという魅力があります。特に甘い中玉品種や珍しい品種を育てたい方にはおすすめの方法です。ただし、種まきから収穫までに約3〜4か月を要するため、栽培計画は余裕を持って立てるようにしましょう。
このように、種まきからの中玉トマト栽培には丁寧な準備と管理が必要ですが、自分の手で苗を育てる喜びは格別です。手間を惜しまず、段階ごとにしっかり管理することで、元気でおいしいトマトを収穫できます。

支柱の立て方と誘引のコツ
中玉トマトを健康に育てるためには、支柱の立て方と誘引の方法が非常に重要です。放任して育てると、茎が倒れたり、風で折れてしまうことがあるため、安定した生長をサポートするための準備が欠かせません。
支柱は植え付けと同時に設置し長さは1.5〜2mが理想
まず支柱の立て方ですが、苗の植え付けと同時、またはそれ以前に設置するのが基本です。タイミングを遅らせると、根を傷つけるリスクがあるため注意しましょう。使用する支柱の長さは、地上部で1.5〜2メートルほどが理想です。中玉トマトは生育旺盛で背が高くなるため、短すぎる支柱では対応しきれません。
家庭菜園には安定性の高い合掌式支柱がおすすめ
支柱の立て方には主に「一本仕立て」と「合掌式(二本組み)」がありますが、家庭菜園で使いやすいのは斜めに2本の支柱を立てて上部で交差させる合掌式です。これにより、風に対する強度が増し、複数の苗でも安定して支えられます。支柱の先端を麻ひもや結束バンドで固定することで、グラつきを防げます。
誘引は早めに行い8の字で優しく結ぶ
誘引とは、茎を支柱に結びつけてまっすぐに伸ばす作業です。最初の誘引は、苗が伸び始めて茎が自立できなくなる前に行います。茎に負担をかけないよう、8の字を描くようにして麻ひもで軽く結ぶと、風による揺れにも強くなります。
ひもは食い込まないよう緩めに結び定期的に調整
注意すべき点は、茎や葉に直接ひもを食い込ませないことです。成長とともに茎が太くなるため、きつく縛りすぎると組織が傷み、病気の原因になることがあります。誘引は10〜15cm程度の成長ごとに繰り返し、ひもの張り直しも忘れずに行いましょう。
このように、しっかりとした支柱と丁寧な誘引を行うことで、通気性や日当たりが良くなり、病害虫の予防にもつながります。また、実の重みで枝が垂れ下がることを防ぎ、収穫まで安定して育てることができます。
プランターサイズの選び方
中玉トマトをプランターで育てる際には、容器のサイズ選びが成功のカギを握ります。狭すぎるプランターでは根が十分に張れず、栄養や水分をうまく吸収できないため、生育が悪くなってしまいます。
項目 | 内容 | ポイント |
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サイズ | 深さ30cm以上・容量15リットル以上 | ミニトマト用では小さすぎるためNG |
形状 | 深さと横幅のある長方形タイプ | 根が広がりやすく乾燥しにくい |
排水性 | 底に排水穴がしっかりあるもの | 水はけが悪いと根腐れの原因に |
素材(プラスチック) | 軽くて移動が簡単 | 通気性はやや劣るが扱いやすい |
素材(素焼き・陶器) | 通気性・保水性に優れている | 重いためベランダ向きではない場合も |
株数 | 1プランターに1株が基本 | 過密植えは風通しが悪く病気の原因に |
最も適しているのは、深さ30cm以上・容量15リットル以上のプランターです。特に中玉トマトは大きく育つため、ミニトマト用の小さなプランターでは容量が不足します。根がしっかり伸びるスペースを確保することで、地上部の茎や葉、果実の生長にも好影響が出ます。
プランターの形状にも注目しましょう。深さがあり、横幅も広い長方形タイプは、根の広がりをサポートし、乾燥しにくい構造になっています。また、水はけを良くするために、底に排水穴がしっかりあるものを選ぶことが重要です。もし排水が悪いと、根腐れを起こしやすくなり、植物全体が弱ってしまうことがあります。
さらに、プランターの素材にも特徴があります。プラスチック製は軽くて扱いやすく、移動も簡単ですが、通気性はやや劣ります。一方、素焼きや陶器のプランターは通気性・保水性に優れているものの、重さがあるためベランダ栽培には不向きな場合もあります。設置場所や扱いやすさに応じて選ぶと良いでしょう。
ちなみに、1つのプランターに複数株を植えたくなるかもしれませんが、過密にすると風通しが悪くなり、病気のリスクが高まります。中玉トマトは1つのプランターに1株が基本です。これにより、栄養や水分をしっかり確保でき、健康的に育てることができます。
このように考えると、プランターのサイズや形状を適切に選ぶことが、家庭菜園でのおいしい中玉トマト作りに直結します。初めての方ほど、余裕のある大きめの容器を選ぶことで、育てやすさと収穫量の両方を得やすくなります。

人気のフルティカの育て方ポイント
フルティカは中玉トマトの中でも特に人気の高い品種です。その理由は、糖度が高く、味が濃厚でありながら皮が比較的薄く、食味に優れている点にあります。家庭菜園でも非常に育てやすく、初心者にもおすすめできる中玉トマトの代表格です。
フルティカは耐病性に優れ有機栽培にも最適
まず、フルティカの特徴を理解することが育て方の第一歩です。この品種は耐病性が強く、特にトマト特有の病気である「葉かび病」や「萎ちょう病」に対して抵抗性があります。そのため、農薬の使用を最小限に抑えたい人や、有機栽培に挑戦したい人にも適しています。
フルティカは太くて健康な苗を選び4月下旬に定植
フルティカを育てる際は、苗選びが非常に重要です。茎が太く、葉がしっかり広がっていて、根本がぐらつかない健康な苗を選ぶようにしましょう。また、苗を購入するタイミングとしては、気温が安定してくる4月下旬から5月上旬がおすすめです。
フルティカ栽培は土づくりとプランター選びが重要
土づくりにも工夫が必要です。排水性と保水性のバランスが良い培養土を選び、植え付け前に完熟たい肥や緩効性肥料を混ぜ込んでおくと、初期生育がスムーズになります。また、鉢植えの場合は、プランターの深さと容量を十分に確保することも重要です。
フルティカは日当たりと水管理で甘さが決まる
フルティカは日光を好むため、日当たりの良い場所に置くことが基本となります。1日6時間以上の日照が確保できる環境が望ましいです。日照不足になると、実つきが悪くなったり、甘さが足りなくなったりする傾向があります。
水やりは「乾いたらたっぷり」が基本ですが、実がつき始めた後はやや控えめにすることで、糖度が高くなります。ただし、極端な水切れは実割れや生育不良の原因になるため、土の状態をよく観察しながら調整しましょう。
このように、フルティカは育てやすさと味の良さを兼ね備えた品種であり、管理さえ適切に行えば、家庭菜園でも高品質なトマトを収穫できます。甘みの強い中玉トマトを目指す方には、ぜひ一度育ててみてほしい品種です。
収穫を増やすちゅうだまトマトの育て方のコツ
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効果的な2本仕立ての方法とは
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甘い品種 おすすめランキング紹介
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高糖度を引き出す追肥と水やり管理
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美味しい中玉トマトの収穫タイミング
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栽培成功のための病害虫対策

効果的な2本仕立ての方法とは!?
中玉トマトを栽培する際に用いられる仕立て方のひとつが「2本仕立て」です。この方法は、1本の苗から2本の主要な茎を育てることで、収穫量を増やしつつ、風通しや日当たりも確保しやすくなるというメリットがあります。
項目 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
主枝の育て方 | 中心となる茎をまっすぐに伸ばす | 第一の軸として安定させる |
副枝の選定 | 第一花房のすぐ下の脇芽を1本だけ残す | 他の脇芽は早めに摘み取る |
支柱の準備 | 主枝・副枝に1本ずつ支柱を立てる | 計2本の支柱が必要 |
誘引の方法 | 10〜15cm間隔でひもでゆるく結ぶ | 枝に負担がかからないよう8の字で誘引 |
交差・密集の防止 | 枝同士が交差しないよう配置に注意 | 風通しを確保し病気予防にもつながる |
収穫量 | 花房が増えて果実の収穫量がアップ | 管理次第で収量を安定化できる |
栄養管理 | 栄養が2方向に分かれるため注意が必要 | 追肥は定期的に行う |
2本仕立てを行う場合、まず中心となる「主枝」をまっすぐに伸ばします。次に、第一花房のすぐ下から出てくる脇芽を1本だけ残し、この脇芽を「副枝」として育てていきます。それ以外の脇芽は、早めに摘み取るようにしましょう。脇芽を多く残すと、葉や枝ばかりが茂り、実への栄養が行き届かなくなる可能性があります。
支柱は2本必要となります。主枝と副枝のそれぞれに1本ずつ支柱を立て、それぞれの枝が支柱に沿ってまっすぐに伸びるよう、適宜誘引します。誘引の間隔は10〜15cm程度が目安で、枝に負担をかけないように、やわらかいひもでゆるく結ぶのがポイントです。
このとき注意したいのは、枝同士が交差したり、葉が密集しすぎたりしないようにすることです。風通しが悪くなると、病気の発生リスクが高まります。逆に言えば、2本仕立ては適切に管理すれば、一本仕立てよりも生育環境を良好に保ちやすい方法とも言えます。
収穫量が増えるという点も2本仕立ての魅力です。枝が2本になることで、花房の数が増え、その分多くの果実を得られるようになります。ただし、栄養の分配も2方向になるため、肥料切れや水分不足に注意が必要です。特に実が大きくなり始める時期には、追肥を定期的に行いましょう。
2本仕立ては手間がやや増えるものの、収穫量と栽培のバランスを取りやすい管理方法です。家庭菜園でより多くの実を収穫したい方にとっては、試してみる価値のある栽培技術といえるでしょう。
甘い品種!おすすめランキング紹介
中玉トマトの中でも「甘さ」を重視して選びたい方に向けて、家庭菜園で育てやすく、かつ糖度の高いおすすめ品種を紹介します。いずれも人気のある品種であり、初心者でも比較的成功しやすいものを中心にピックアップしています。
第1位:フルティカ
糖度が高く、果肉に厚みがあり、味にコクがあることで有名な中玉トマトです。皮が薄く、口当たりが良いため、サラダやそのままの生食にも最適です。耐病性にも優れており、初心者でも育てやすいことが評価されています。また、日照がしっかり確保できる環境で育てれば、糖度が8度以上になることもあります。
第2位:シンディスイート
名前の通り、非常にスイートな味わいが特徴です。フルーティーな香りとバランスの良い酸味があり、甘味との調和がとれた食味が魅力です。育て方としては、雨に当てない工夫と、水の管理を徹底することで、より甘さが引き出されます。やや高温に弱いため、真夏を避けた春から初夏の栽培が推奨されます。
第3位:フルーピー ミニ トマト(中玉タイプ)
近年注目されている新しい品種で、実のサイズは中玉寄りですが、味はミニトマトに近いほど甘く、非常にジューシーです。やや育て方にコツが必要で、栽培中の水分管理や肥料のバランスが味を左右します。ただし、成功すれば非常に甘く、見た目にもツヤがあり美しい仕上がりになります。
これらの品種はいずれも家庭菜園で人気があり、特に「フルティカ」は王道とも言える存在です。甘さ重視で品種を選ぶ際には、育てやすさや病気への耐性も併せて検討することが大切です。どれを選んでも市販の中玉トマトとは違う濃い味を楽しめるため、自宅での栽培がより楽しみになるでしょう。

高糖度を引き出す追肥と水やり管理
中玉トマトの甘さを最大限に引き出すためには、品種だけでなく、栽培中の追肥と水やりの管理が非常に大切です。特に高糖度を目指す場合、単に「育てる」だけでは足りず、「甘く育てる」ための工夫が必要です。
高糖度を目指すにはカリウム重視の追肥が鍵
まず追肥ですが、植え付けから約2〜3週間後に開始し、その後は2〜3週間ごとに継続して行います。使用する肥料は、カリウムを多く含むものを選ぶと良いでしょう。カリウムは糖の移動と蓄積に関与しており、果実の甘さを左右します。液体肥料を使う場合は、薄めに希釈し、土が乾いているときに与えると吸収が良くなります。
ただし、肥料を与えすぎると葉ばかりが育ち、「つるボケ」という状態になることがあります。こうなると果実がつきにくくなり、かえって収量や味が落ちてしまいます。そのため、葉の色や成長具合を観察しながら、控えめな量をこまめに施すことがコツです。
甘さを引き出すための水やりと水分管理の工夫
次に水やりですが、これは甘さをコントロールするうえで極めて重要です。苗の初期生育期には、しっかりと水を与え、根の張りを促します。しかし、果実がつき始めた段階からは、水分をやや制限することで、糖度を高めることができます。
例えば、朝だけ水を与えて日中は乾燥気味にする、水やりの頻度を2日に1回に減らす、といった調整が有効です。ただし、極端に水を切らしてしまうと実割れやカルシウム不足による尻腐れ症の原因になるため、土の表面と株の様子をこまめに確認しながら管理しましょう。
また、雨が直接当たる場所では水分量の調整が難しくなります。ベランダや軒下など、雨を防げる場所で栽培するか、雨除けシートを設置することで、より安定した管理が可能になります。
このように、追肥と水やりは単なる日常の作業ではなく、トマトの甘さと品質を左右する大きな要素です。育てているうちに変化する株の様子を観察しながら、細やかに対応していくことが、高糖度トマトへの近道になります。
美味しい中玉トマトの収穫タイミング
中玉トマトを最もおいしく味わうためには、適切な収穫タイミングを見極めることが非常に重要です。収穫が早すぎると甘みが不足し、逆に遅れすぎると果実が裂けたり、柔らかくなりすぎたりしてしまいます。最もおいしい状態で収穫するには、果実の色や感触、天候などを総合的に見て判断する必要があります。
項目 | 内容 |
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収穫の基本タイミング | 完熟に近い状態で収穫 |
色づきの目安 | 全体が赤く、ヘタ周辺に少し緑が残る |
触感の目安 | わずかに柔らかく感じる程度 |
収穫に適した時間帯 | 晴れた日の午前中 |
雨天時の注意点 | 雨の前に早めに収穫、裂果に注意 |
収穫の方法 | 果実を軽く持ち上げて優しくひねる |
果実が取れにくいとき | ハサミで清潔に切り取る |
収穫の頻度 | 1〜2日おきに観察しながら収穫 |
中玉トマトは、完熟に近いタイミングで収穫するのが基本です。目安としては、果実全体が赤く色づき、ヘタの周囲にまだ少し緑色が残っている程度が理想的です。この状態なら、室温で1~2日追熟させれば、果肉がしっかりしていて味も濃く、糖度が高い状態になります。触ったときに果実がほんの少し柔らかく感じるくらいが目安です。
晴れた日の午前中に収穫するのがおすすめです。朝露が乾いてから収穫すると、果実の表面が濡れておらず、傷みにくくなります。雨が続いた後などは、実が水分を吸って割れやすくなるため、その前に早めに収穫してしまうのも一つの方法です。とくに完熟直前の実は裂果しやすいため注意が必要です。
収穫は手で軽く持ち上げるようにしながら、果実のつけ根部分を優しくひねると、自然にポロッと取れることがあります。取りにくい場合は無理に引っ張らず、園芸用のハサミを使って清潔に切り取ると、株への負担を減らすことができます。
中玉トマトは、1株あたり複数の果房をつけるため、最初の実が色づき始めた頃から、1~2日おきにチェックして収穫を繰り返すのが良いサイクルです。一斉に全部が熟すわけではないため、こまめに観察し、タイミングを見逃さないことがポイントです。
このように、色づき具合、果実の張り、収穫する時間帯といった細かい点に配慮することで、自宅でも市場に並ぶような高品質な中玉トマトを味わうことができます。

栽培成功のための病害虫対策
中玉トマトの栽培では、病害虫への対策が成功の大きなカギとなります。放っておくとせっかく元気に育っていた株が一気に弱ってしまうこともあり、特に家庭菜園では早期発見と予防がとても大切です。日々の観察を習慣化することで、問題を最小限に抑えることができます。
カテゴリ | 内容 |
---|---|
主な病気 | うどんこ病、葉かび病、青枯れ病など |
病気の原因 | 湿度の高さ、通気性の悪さ、葉への水かけすぎ |
病気の予防策 | 密植を避ける、風通しを良くする、雨を防ぐ |
土壌由来病の対策 | 敷きわらやマルチで泥はねを防ぐ |
うどんこ病の兆候 | 葉の裏に白い粉が現れる |
主な害虫 | アブラムシ、ハダニ、オオタバコガなど |
アブラムシ対策 | 手で除去、被害拡大時は園芸用殺虫スプレー使用 |
農薬使用の注意点 | 中玉トマトに使える製品を選び、安全期間を守る |
ウイルス病対策 | 媒介虫の侵入を防ぐため、防虫ネットやシルバーマルチを活用 |
予防の基本 | 毎日の観察と早期対応が最も重要 |
よく見られる病気には「うどんこ病」「葉かび病」「青枯れ病」などがあります。これらは湿度や通気性の悪さが原因で発生しやすいため、まずは栽培環境の見直しが重要です。密植を避けて風通しをよくする、雨が直接当たらない場所に置く、葉に水をかけすぎないといった基本的な対策が効果を発揮します。
さらに、株元に敷きわらやマルチを敷くことで、泥はねを防ぎ、土壌由来の病気のリスクを軽減できます。また、葉の裏側までしっかり観察し、白い粉のようなものがついていればうどんこ病の疑いがあるため、早めに対処する必要があります。
一方、害虫では「アブラムシ」「ハダニ」「オオタバコガ」などが代表的です。特にアブラムシは成長点や新芽につきやすく、繁殖力も高いため見逃せません。見つけたら手で取り除くほか、被害が広がっている場合は園芸用の殺虫スプレーを使用するのが有効です。農薬を使う場合は、必ず中玉トマトに使用可能な製品を選び、収穫までの安全期間を守るようにしてください。
加えて、黄化葉巻病などのウイルス病は、コナジラミなどの媒介虫を通じて感染するため、虫が寄りつきにくい環境を作る工夫も必要です。例えば、シルバーマルチを敷いたり、防虫ネットで苗を囲ったりすると、物理的な侵入を防ぐことができます。
多くの病害虫は、発生してからの対応よりも予防が肝心です。そのためには日々の観察が不可欠で、葉色や葉の形の変化、実の異常などを注意深く見る習慣をつけると良いでしょう。
このように、病気や害虫の対策は難しいものではなく、基本的な環境づくりと早期対応を意識することで、健康で実りの多い中玉トマト栽培につながります。手間を惜しまず、日々の変化に気を配る姿勢が、栽培成功への一歩です。
ちゅうだまトマトの育て方のポイント総まとめ
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植え付けは4〜5月が最適で、夜間の気温15℃以上が望ましい
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寒冷地では黒マルチやホットキャップで地温を確保する
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遅すぎる植え付けは高温障害のリスクがある
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種まきは3〜4月が目安で、発芽には20〜30℃が必要
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育苗は徒長を防ぐために日当たりと順化を意識する
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本葉2〜3枚で間引きし、7〜8枚で定植が適期
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支柱は植え付け時に設置し、長さは1.5〜2mを推奨
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合掌式の支柱は風に強く家庭菜園でも使いやすい
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誘引は成長に合わせてひもで8の字に優しく結ぶ
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プランターは深さ30cm以上・容量15L以上が望ましい
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フルティカは糖度が高く、育てやすい人気品種
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2本仕立ては収穫量が増え、管理もしやすくなる
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甘さを重視するならカリウム中心の追肥が効果的
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果実が赤くなったら早めに収穫し追熟させるとよい
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病害虫対策には風通し・防虫ネット・観察習慣が重要