家庭菜園でいちごの小さい原因と対策まとめ

家庭菜園でいちごを育てていると、「どうして実が小さいままなのか」と悩む方は少なくありません。この記事では、「家庭菜園いちご小さい」と検索してたどり着いた方に向けて、その原因と対策をわかりやすく解説します。

イチゴの実が大きくならない理由は何ですか？という疑問には、栄養・水・受粉といった基本的な育成条件をもとに解説し、小さな実のまま赤くなってしまう場合の原因も詳しく紹介します。育てているいちごがそもそも小さい品種である可能性についても触れているため、品種の選び方で迷っている方にも役立つ内容です。

また、いちごの実を大きくする方法や、イチゴを大きく甘くするにはどうしたらいいですか？といった実用的な悩みにも対応しています。日照時間、施肥のコツ、摘果・摘花のタイミングなど、家庭でできる工夫を丁寧に解説します。

さらに、いちごプランター初心者の方でも失敗しにくい、いちごプランターのおすすめ条件や、いちごプランターサイズの目安など、プランター選びのポイントもご紹介。マンションベランダいちごの栽培に適した環境づくりや、イチゴの肥料不足のサインは？という見分け方についても説明しています。

このガイドを通じて、家庭菜園でのいちご栽培がより楽しく、成果のあるものになるようサポートします。小さないちごの原因をひとつずつ解決し、立派な実りへとつなげていきましょう。

この記事でわかる４つのポイント

いちごが小さい原因とその見分け方
実を大きく育てるための具体的な方法
プランターや栽培環境の選び方
品種や受粉の影響による違い

この記事でわかる４つのポイント

家庭菜園でいちごが小さい原因とは！？
家庭菜園のいちごを大きく育てるコツ！

家庭菜園でいちごが小さい原因とは！？

イチゴの実が大きくならない理由は何ですか？
いちごが小さいまま赤くなるのはなぜ？
イチゴの肥料不足のサインは？
いちごが小さいのは品種の影響もある？
マンションのベランダでいちごを育てる注意点

イチゴの実が大きくならない理由は何ですか？

イチゴの実が思ったように大きくならない原因は、いくつかの要素が複雑に絡み合っている場合が多いです。基本的には「栄養」「水」「受粉」の3つの条件が適切に満たされていないことが主な理由といえるでしょう。

栄養不足がいちごの成長を妨げる原因に

栄養不足はよく見落とされる原因のひとつです。イチゴは実を大きくするために多くのエネルギーを必要としますが、土の中の栄養が足りなければ、実の肥大が途中で止まってしまうことがあります。特にプランター栽培の場合、水やりのたびに肥料分が流れてしまうため、気づかないうちに栄養不足になっていることもあるのです。葉の色が黄色っぽくなっている、元気がないというような兆候が見られる場合は、追肥を検討しましょう。

適切な水やりが実の成長を左右する

水やりが不十分であることも大きな要因になります。イチゴは乾燥に弱い植物で、土が乾いたままの状態が続くと根の働きが弱まり、栄養の吸収も落ちてしまいます。ただし、過湿も根腐れの原因になるため、水はけの良い土を使い、表面が乾いたタイミングでしっかりと水を与えるようにします。

受粉不良を防ぐための人工授粉の工夫

受粉不良も見逃せません。花が咲いても、しっかりと受粉が行われないと、実の一部しか育たず、いびつで小さな果実になることがあります。これは特にベランダなどで育てている場合に多く、虫による自然な受粉が難しい環境では人工授粉が必要になります。綿棒や小さな筆で花の中心を優しくなでることで、受粉を助けることができます。

このように、イチゴの実が大きくならない理由は単一ではありません。土や肥料の状態、水やりの頻度、育てている環境に合わせた受粉の工夫など、いくつかの要素をバランスよく管理することで、健康で大きな実を育てることが可能になります。

いちごが小さいまま赤くなるのはなぜ？

いちごがサイズの小さいまま色づいて赤くなってしまう原因は、「実の成長が途中で止まっている」ためです。つまり、実が大きくなるべきタイミングで何らかの問題が起き、成熟だけが先に進んでしまっているのです。

原因	詳細	影響・症状
栄養不足	開花から収穫までの40～50日間に十分な栄養が行き渡らない	実が大きくならず、小さいまま赤くなる
追肥のタイミングや量が合っていない	特にプランター栽培では肥料が流れやすい	果実が肥大せず成熟だけ進む
受粉不良	雌しべの一部しか受粉していない	サイズが小さく形も不ぞろいな果実になる
日照不足	直射日光が1日4〜5時間未満	光合成が不十分で果実が育ちにくくなる
土壌環境の悪化	根の働きが低下し栄養吸収がうまくいかない	植物全体の成長が鈍く、実も小さくなる

多くの場合、その原因として考えられるのが栄養不足です。いちごの果実は、花が咲いたあと約40～50日かけてゆっくりと育ちます。この期間に十分な栄養が行き渡らないと、果実の肥大が途中で止まり、やがて色だけが赤く変化していきます。特にプランターでの栽培では、追肥のタイミングや量が合っていないと、実が大きくならずに赤くなる現象が起こりやすくなります。

もうひとつの原因として「受粉が不完全だった」ことも考えられます。いちごは一つの花の中に複数の雌しべがあり、それぞれがうまく受粉しないと部分的にしか実が育たないことがあります。この場合、見た目は赤くなっていても、サイズは小さく、形も不ぞろいになってしまいます。

さらに、栽培環境が原因となることもあります。例えば日照不足が続いていたり、土の状態が悪くて根がうまく機能していない場合など、植物全体の生育が鈍ることで実も育ちにくくなります。いちごは1日4～5時間以上の直射日光を好むため、光が足りないと光合成が不十分となり、結果的に果実の成長にも影響します。

このように、いちごが小さいまま赤くなるのは、成長環境のどこかに問題があるサインともいえます。栄養、水、日当たり、受粉状態などをひとつずつ見直し、改善していくことが収穫の成功につながります。

イチゴの肥料不足のサインは？

イチゴの栽培において、肥料不足は実の成長や味に大きな影響を与える要因です。特に家庭菜園では、肥料の過不足を見極めるのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。そこで重要になるのが「肥料不足のサイン」をしっかりと見抜くことです。

葉の色の変化は肥料不足の重要なサイン

最もわかりやすいサインが「葉の色の変化」です。通常、健康なイチゴの葉は鮮やかな緑色をしていますが、肥料が不足していると徐々に黄色や黄緑色に変わっていきます。特に冬越し後の春先に葉の色が淡くなっている場合は、土の中の養分が足りていない可能性が高いです。葉の先端から黄ばみ始めるようであれば、窒素不足が疑われます。

また、茎や葉が細くなり、全体的に元気がなくなるのもサインのひとつです。イチゴの株がしっかりと根を張っていれば、ある程度は自然に育ちますが、栄養が不足していると茎が細くなり、花や実の数も減ってしまいます。結果として実がついても小粒になりやすく、収穫の楽しみが半減してしまうでしょう。

茎や葉の細さも見逃せない栄養不足の兆候

プランター栽培では水やりのたびに肥料分が流れやすくなるという特性があります。そのため、定期的な追肥が必要ですが、追肥のタイミングを逃すと植物に必要な栄養が不足し、成長にブレーキがかかります。土の中を見て判断するのは難しいため、葉や茎の様子を観察することが非常に大切です。

ただし、追肥のしすぎにも注意が必要です。窒素が過剰になると、葉ばかりが茂ってしまい、肝心の花や実がつかなくなります。ですので、肥料不足と判断したら、即座に多量の肥料を与えるのではなく、イチゴ用のバランスの取れた肥料を使い、少しずつ様子を見ながら調整することが大切です。

このように、葉の色、株の元気さ、花や実のつき方などを観察することで、肥料不足を見抜くことが可能です。早めに気づいて対応すれば、元気な株を取り戻すことができ、収穫の時期にはしっかりとした実を楽しめるでしょう。

いちごが小さいのは品種の影響もある？

いちごが小さく育ってしまう原因のひとつに、品種の特性が関係していることがあります。つまり、適切な環境で育てていたとしても、選んだ品種によってはそもそも実のサイズが小さめに育つものがあるということです。

ポイント	内容
流通している品種数	日本国内で100種類以上のいちご品種がある
家庭菜園向きの品種例	宝交早生（ほうこうわせ）は育てやすいが実が小ぶりになりやすい
品種の特徴	大きさ・甘さ・育てやすさ・耐病性などが品種ごとに異なる
温室向け品種の注意点	家庭菜園やプランターには適さないことがある
品種選びの失敗例	実が育たない原因を栽培技術と誤解してしまう
実のなり方の傾向	品種により「実が多くて小粒」「少なくて大粒」の違いがある
品種選びのポイント	見た目や知名度よりも栽培環境や目的に合うかを重視
品種以外の影響要因	栄養、水、日照など栽培環境によっても実のサイズは変わる
管理の重要性	品種の特性を理解したうえで適切な栽培管理を行うことが大切

実際、日本で流通しているいちごの品種は100種類以上あり、それぞれに大きさ、甘み、育てやすさ、耐病性などの特徴があります。中には「宝交早生（ほうこうわせ）」のように家庭菜園向きで育てやすい反面、実がやや小ぶりになりやすい品種もあります。香りや味に優れていても、実のサイズが大きくならないことは珍しくありません。

また、流通している多くの品種は温室栽培を前提として改良されており、家庭菜園やプランター栽培には向いていないこともあります。このような品種を選んでしまうと、実が思うように育たず、「育て方が悪いのでは？」と悩むことにつながりがちです。

ここで注意しておきたいのは、品種によって「実の数が多くて小粒」「実が少なくて大粒」といった傾向が異なる点です。家庭菜園では、ついつい見た目の良さや知名度の高い品種に惹かれてしまうことがありますが、育てる環境や目的に合った品種選びが結果に直結します。

もちろん、品種だけが原因ではないこともあります。栄養管理や水の与え方、日当たりなどの基本的な育て方も実の大きさに影響するため、まずは育てている品種の特性を把握し、それに合わせた管理を心がけましょう。

このように、いちごの大きさには品種の影響が少なからず関わっています。大粒の実を期待しているのであれば、あらかじめその品種が大きく育つ傾向にあるかを確認し、自分の栽培スタイルとマッチするかどうかを見極めることが重要です。

マンションのベランダでいちごを育てる注意点

マンションのベランダでもいちごは十分育てることができますが、いくつかの注意点を押さえておかないと、実がつかなかったり、生育不良になったりする可能性があります。ベランダ栽培は限られたスペースと環境の中で行うため、地植えとは異なるポイントに気をつける必要があります。

日当たりの確保がマンション栽培のカギ

確認すべきなのは「日当たり」です。いちごは日照時間が4～5時間以上ある環境を好みます。マンションのベランダは建物の向きや周囲の建築物によって日照が制限されることがあるため、日がよく当たる時間帯や方角を事前に確認しておくことが大切です。

特に南向きのベランダであれば理想的ですが、それ以外の場合は日当たりの良い位置にプランターを移動させるなどの工夫が必要です。

風通しを良くして病害虫を防ぐ工夫

「風通し」にも注意が必要です。ベランダは風がこもりやすく、湿気が溜まりやすい環境です。その結果、病害虫の発生リスクが高まります。できるだけプランターの下にスノコやレンガを敷いて高さを出し、風の通り道を作るようにしましょう。加えて、鉢を密集させすぎないことも重要です。

水はけと過湿対策で根腐れを防ぐ

「水はけ」と「過湿対策」も忘れてはいけません。いちごは水切れに弱い一方で、過湿状態になると根腐れを起こしてしまいます。排水性の良いプランターを使うことはもちろん、底に鉢底石を敷き、土には赤玉土や腐葉土などを混ぜて水はけを調整します。特にマンションの高層階では風が強く、乾燥しやすいため、水やりは朝に行い、土の表面が乾いていればその都度追加します。

虫が少ない環境では人工授粉が必須

マンションのベランダでは「虫が来にくい」という特性があります。これは一見メリットのように見えますが、実はいちごの受粉には不利です。虫が訪れない環境では、人工授粉を行う必要があります。綿棒や筆を使って花の中心を優しく撫でることで、確実な受粉を促進できます。

ベランダ栽培では近隣への配慮も大切

ベランダで育てる場合は「近隣への配慮」も忘れてはいけません。水や土が階下へこぼれないよう受け皿を設置したり、風に飛ばされないよう鉢をしっかり固定したりといった対策を取っておくと安心です。

このように、マンションのベランダでいちごを育てるには、日当たり、風通し、水やり、人工授粉、近隣配慮といった複数の視点で環境を整える必要があります。少しの工夫で収穫の成功率が大きく変わるため、事前準備をしっかり行うことが重要です。

家庭菜園のいちごを大きく育てるコツ！

いちごの実を大きくする方法！
イチゴを大きく甘くするにはどうしたらいいですか？
いちごプランターの選び方とおすすめポイント！
いちごの受粉を成功させるコツ
栄養を集中させるための摘果・摘花方法

いちごの実を大きくする方法！

いちごを家庭で育てていて、「実が小さい」と感じたことがある方は少なくないでしょう。実を大きく育てるには、いくつかの具体的なポイントを押さえておくことが大切です。これは土づくりから日常的な管理まで、幅広い要素に影響を受けます。

項目	内容
栄養バランスの施肥	窒素・リン酸・カリウムのバランスが重要。市販のいちご用肥料を使用するのが手軽
窒素の与えすぎ	葉ばかりが茂り、花芽ができにくくなる
リン酸不足	実の発育が鈍くなり、小粒になりやすい
日照時間の確保	1日4～5時間以上の直射日光が必要。光合成で実にエネルギーが蓄えられる
鉢の移動	日照条件に合わせてプランターの置き場所を調整することが効果的
脇芽・ランナーの管理	放置すると栄養が分散。花や実が付き始めたら不要なものは切り取る
剪定のバランス	切りすぎると株の成長に影響が出るため、適度な管理が必要
摘果・摘花の実施	花が多すぎる場合は間引き、良い実に栄養を集中させる
花の選別	形が悪い・位置が悪い花は早めに摘み取ることで果実の品質を向上

基本となるのが「栄養バランスの取れた施肥」です。いちごは、窒素・リン酸・カリウムのバランスが整った状態でないと、うまく実を太らせることができません。特に窒素が多すぎると葉ばかりが茂ってしまい、花芽の形成が妨げられます。一方、リン酸が不足すると実の発育が鈍くなります。市販のいちご用肥料を使用すれば初心者でも適切な配合が簡単に管理できます。

次に大切なのは「日照時間」です。いちごは光合成によって糖を作り、実にエネルギーを蓄えます。日当たりが悪いと、実の肥大化に必要な養分が不足し、結果として小粒になってしまうのです。できるだけ日当たりの良い場所にプランターや鉢を置くようにしましょう。移動が可能な鉢を使用すれば、季節や日照に合わせて置き場所を調整することもできます。

また、「脇芽やランナーの管理」も見逃せません。脇芽やランナーをそのまま放置しておくと、株全体のエネルギーが分散し、実に栄養が届きにくくなります。花や実が付き始めたら、不要な脇芽やランナーは切り取るようにしましょう。ただし、あまりに切りすぎると株の成長そのものに影響を与えるので、適度なバランスを保つことが大切です。

さらに、実を大きくするためには「摘果・摘花」も有効です。花が多く咲きすぎた場合、すべてを実にしようとすると栄養が分散してしまい、1つ1つの実が小さくなりがちです。元気な株に育っていても、すべての花を実らせるのは無理があります。そのため、早い段階で形が悪かったり、位置が悪い花は取り除き、良い実に栄養を集中させると、大きくて美味しい実が育ちやすくなります。

このように、肥料・日照・剪定・摘果などを適切に管理することで、いちごの実をしっかりと育てることができます。手間はかかりますが、コツを押さえれば家庭でも立派な実を収穫することは十分可能です。丁寧に育てた分だけ結果が出るのも、いちご栽培の魅力といえるでしょう。

イチゴを大きく甘くするにはどうしたらいいですか？

いちごを家庭で栽培する際、「大きくて甘い実」を収穫するのはひとつの理想です。見た目も味も満足のいくいちごを育てるためには、育成環境や日々の管理に工夫が必要です。単に水と肥料を与えているだけでは、なかなか甘さまでは引き出せません。

いちごの甘さを左右する日照時間の重要性

最初に意識したいのが「日照時間」です。いちごは日光をたっぷり浴びることで糖分を蓄えやすくなります。日光を受ける時間が短いと光合成が不足し、結果として甘みの少ない実になりがちです。日当たりの良い場所にプランターを置き、1日4～5時間以上は直射日光が当たるよう工夫しましょう。特に春先からの成長期には、日照が収穫の出来を大きく左右します。

甘いいちごを育てる水やりのコツ

次に「水やりのタイミングと量」です。いちごは乾燥に弱いものの、実を甘くするには水の与えすぎに注意が必要です。常に土が湿っていると、根が過剰な水分を吸収してしまい、糖分が薄まりやすくなります。基本は「土の表面が乾いたらたっぷりと与える」こと。特に収穫が近づいた時期は、水をやりすぎないことで実が引き締まり、甘みが増す傾向があります。

甘さを引き出すための肥料の工夫

肥料の与え方にも工夫が求められます。いちごの甘さを引き出すためには、通常の肥料に加えて、アミノ酸や糖分を含んだ液肥を使うのが効果的です。

たとえば、アミノ酸入りの園芸用液肥や、黒糖や糖蜜を水で1000倍ほどに薄めて与える方法があります。これにより、植物内の糖度が高まりやすくなり、甘みのある果実を作るサポートになります。

甘く大きな実のために脇芽とランナーを間引く

実を育てる段階では「脇芽の管理」も大切です。脇芽やランナーが増えると栄養が分散され、実へのエネルギー供給が弱くなってしまいます。収穫期に向けては不要な芽やツルを間引き、果実へ集中的に栄養が届くようにすると、サイズも甘さも向上しやすくなります。

摘果で栄養を集中させ甘く大きな実に育てる

摘果作業を行うのも効果的です。実が多くなりすぎた場合、全てを育てようとするとそれぞれが小粒になり、糖度も下がってしまいます。形の悪い実や茎の弱い位置についたものは早めに摘み取り、優先すべき実に養分を集中させましょう。

このように、日光、水、肥料、剪定といった複数の要素が連動して、いちごの甘さと大きさを左右します。少しの工夫を積み重ねることで、市販品に負けない甘くてジューシーないちごを家庭で味わうことができます。

いちごプランターの選び方とおすすめポイント！

いちごをプランターで育てる際には、どんな容器を選ぶかが収穫の結果を大きく左右します。見た目や価格だけで選んでしまうと、根が伸びづらかったり、水はけが悪かったりして、思うように育たないことがあります。ここでは、初心者でも失敗しにくい、いちご向けプランターの選び方とおすすめポイントを紹介します。

チェック項目	内容とポイント
サイズ	深さ20cm以上・幅30cm以上のプランターが理想。根がしっかり張れる広さが必要
排水性	排水穴が十分にあること、鉢底石を敷いて水はけを良くする工夫があるかを確認
素材と色	直射日光による温度上昇を防ぐため、明るい色（白・ベージュなど）のプランターを選ぶ
形状	長方形で縁に苗を植えるタイプがおすすめ。実がぶら下がって衛生的かつ害虫被害も軽減
持ち運びやすさ	移動が必要な環境では持ち運びやすく、倒れにくい安定感のあるデザインを選ぶ

確認すべきなのは「サイズ」です。いちごは見た目以上に根を張る植物なので、浅すぎるプランターでは生育が不安定になります。目安としては、深さが20cm以上、幅が30cm以上のプランターが理想的です。根がしっかり張れるスペースがあれば、株が安定し、実付きも良くなります。

次に重要なのが「排水性」です。いちごは乾燥には弱い一方で、過湿にも非常に敏感です。底に十分な排水穴があるか、そして鉢底石を敷いて水はけを良くする構造になっているかを必ず確認しましょう。水が溜まりやすい構造では根腐れを起こしやすく、株全体の健康が損なわれてしまいます。

素材にも注目したいところです。プランターの色や材質によっては、直射日光を受けた際に内部の温度が急上昇することがあります。とくに黒や濃い色の容器は熱を吸収しやすく、根がダメージを受けることがあります。そのため、白やベージュなどの明るめの色のプランターを選ぶと、根の温度上昇を防ぐことができます。

また、「形状」にも工夫があると便利です。プランターの縁に沿って苗を植えられる長方形タイプは、実が空中にぶら下がるように育つため、ナメクジなどの害虫被害が減りやすくなります。加えて、実の部分が地面に触れにくくなるので、傷みにくく衛生的です。

最後に、置き場所を考慮した「持ち運びのしやすさ」や「安定感」もチェックポイントです。ベランダで育てる場合、強風や日照条件によって移動させる場面もあります。軽すぎるプランターだと風で倒れてしまうこともあるため、ある程度の重さとバランスのあるデザインを選ぶと安心です。

このように、サイズ・排水・色・形・安定性といった複数の観点から選ぶことで、いちご栽培に適したプランターを選ぶことができます。初めての方でも、ポイントを押さえて選べば育てやすさが格段に向上し、美味しいいちごの収穫につながります。

いちごの受粉を成功させるコツ

いちごを家庭菜園で育てていると、「花は咲いたのに実がならない」という経験をする方が少なくありません。この原因の多くは、受粉がうまくいっていないことにあります。いちごの実は、花の中心にある多数の雌しべがすべて受粉しないと、丸く大きな形にはなりません。そこで、確実に実をつけるための「受粉のコツ」を知っておくことが大切です。

いちごの花の構造を理解して受粉効率を上げよう！

覚えておきたいのは、いちごの花には20〜25本の雄しべと、100本以上の雌しべが備わっているということです。これらの雌しべすべてに花粉が行き渡ることが、形の整った実を育てる条件となります。自然界では、ミツバチなどの昆虫がこれを手助けしてくれるのですが、家庭のプランターやベランダでは虫の訪問が少ないため、人工授粉が必要になります。

人工授粉の基本は、花が咲いているうちに行うことです。タイミングとしては、花が開いた直後から2〜3日の間がもっとも適しています。このとき、綿棒や小筆などを使って、花の中心部分を軽くなでるようにして花粉を雌しべ全体に均一に届けます。力を入れすぎると花が傷んでしまうため、あくまで優しく行うのがポイントです。

受粉には気温15〜25℃が最適条件

気温にも注意が必要です。いちごの受粉は15〜25℃くらいが最も適しており、寒すぎる日や暑すぎる日には花粉の活性が落ち、受粉率が下がることがあります。天気の良い日を選んで受粉を行えば、成功率も高まります。

湿度が高すぎると花粉がベタついてうまく広がらないことがあるため、雨の日や朝露が残っている時間帯は避け、乾いた状態の花で行うことが理想的です。

このように、人工授粉は一手間かかりますが、実の形や収穫量に大きく影響します。虫に頼れない環境では、ぜひ積極的に取り入れてみてください。丁寧な受粉が、大きく美しいいちごを育てる第一歩になります。

栄養を集中させるための摘果・摘花方法

いちごを育てていて、たくさんの花が咲いたり、小さな実が次々にできると嬉しくなりますよね。しかし、そのまま全ての実を育てようとすると、どの果実にも栄養が行き渡らず、結果的に小さな実ばかりができてしまうこともあります。そこで大切になるのが、摘果（てきか）と摘花（てきか）の作業です。

タイミング	作業内容	目的・効果
花が咲き始めた段階	茎が細い花、小さい花を手で摘み取る	無駄な花に栄養を使わず実の品質を高める
一番花が咲いたとき	中央に咲いた一番花を優先して残す	大きく育ちやすい実を確保する
その後に咲く花	元気のない花を早めに除去する	残した実の品質や形を安定させる
実がついたとき	形の悪い・小さい実を摘果する	残った果実がより大きく育つ
全体管理のポイント	早めに摘花・摘果の判断を行う	栄養を効率的に使い、甘く立派な実を育てる
長期的な栽培を目指すとき	株の疲労を防ぐためにも間引きは有効	次の花芽の成長を促進する

摘花とは、咲いた花の一部をあえて取り除く作業のことです。摘果は、すでにでき始めた実の中で形が悪かったり、小さすぎるものを取り除く作業を指します。これらの工程を通して、限られた栄養を良質な果実へ集中させることができます。

具体的には、花が咲き始めた段階で、茎が細かったり、他の花に比べて明らかに小さい花を見つけたら、それを手で摘み取ります。また、最初に咲いた花は「一番花」と呼ばれ、株の中央から出てきて比較的大きく育ちやすいため、優先的に残すようにします。その後に咲いた花で元気のないものは、早めに除去しておくと実の品質が安定します。

すでに実がついている場合も、収穫まで育てられそうにない形のいびつな実や、他よりも著しく小さい実を摘果することで、残った果実がより大きく育ちます。特に家庭菜園では、株ごとの栄養が限られているため、こうした調整が重要になります。

このときのポイントは「早めに判断すること」です。無理にすべての実を育てようとせず、品質重視で選別することが結果的に甘くて立派ないちごを収穫する近道になります。また、実をつけすぎると株自体が疲れてしまい、次の花芽がつかなくなることもあるため、長期的な収穫を望む場合にも摘果・摘花は有効です。

こうして不要な花や実を間引くことで、いちごの栄養を最も必要な部分に集中させることができます。少し勇気がいる作業かもしれませんが、その分、ひとつひとつの実の完成度が高まり、育てる楽しさも倍増します。